エステサロンの経営と仕入コストの見直し方

このブログを目にしてる方は、エステサロンを開業して経営して行くには、仕入れのコストはどれくらいに抑えるべきなのかを考えてる方ではないでしょうか?エステティシャンは、基本技術者なので数字をどう見るかを意外と知らないものです。

仕入れとは、いわゆる原価の事です。その原価が低ければ低いほど粗利(売り上げから原価を引いたもの)が高くなります。

この粗利から経費などを引いて利益という事になります。

意外とアバウトにコスト計算をしないまま、メニュー金額の設定をしてしまう方が多いので、エステサロンの原価はどれくらいが適正なのか見て行きましょう。

今回は、特にテナントでサロンをやっている方ではなくで、あくまでも個人でやっているサロンの場合で説明していきたいと思います。

まずは損益分岐点を出す

まず損益分岐点を出します。損益分岐点とは、売上が上がらなくても必ず発生する経費のことです。

経費は固定費と、変動費に分けられます。

固定費(不変費)とは、売上の増減にかかわらず発生する一定額の費用のことです。固定費に該当する具体的な費用には、人件費、地代家賃、水道光熱費、接待交際費、リース料、広告宣伝費、減価償却費などがあります。

変動費とは、売上の増減によって変動する費用のことです。一般的に変動費に該当する費用は、原材料費、仕入原価、販売手数料、消耗品費などです。固定費が売上に関係なく一定額発生するのに対し、変動費は売上に比例して増減します。

自宅マンションエステの場合

自宅マンションといっても、家族がいて、ご主人の収入で生活は出来るけど、少しづつ大きくなったら、将来サロンとしてマンションを別に借りたいなあ。と思ってる方は、

だいたい、家賃の3分の1ぐらいをサロンの家賃として考えます。例えば家賃10万のところだったら約3万3千円。

こういう風に、水道光熱費も同じように算出します。例えば、家の水道光熱費が5万円だったとすると約1万5千円。

人件費は、自分がどれくらいもらいたいのかを設定します。ここでは20万にしましょう。

広告宣伝費は個人でやってる場合は、かけれたとしても、5万ぐらいだと思います。

減価償却とは、何か物を買ったり、ベットやスチーマー、ホットキャビなど設備に投資する場合、事業を行う上で購入した物は、その年の経費として計上するのが基本です。しかし、車や建物など、高額で長期にわたって使用できる物を購入した場合、その年の経費として計上すると、購入した年だけ経費が膨れ上がる可能性があります。そこで、高額の資産を取得した場合は、会計上「減価償却」という方法で、経費に計上するというルールが設けられています。(減価償却について詳しくはこちらを参照してくださいhttps://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/depreciation/)

購入したものの価値を、耐用年数によって算出し、年数を経る毎に資産価値が下がると言う理屈ですが、購入した年にいっきに経費計上するのではなく、その年数によって資産価値がどれぐらいになるのかで、減価償却費が変わります。

リース料とは、スチーマーやエステで使う機械類をリース会社を通じて月額で分割で支払うことです。リースなので自分のものではありません。あくまでも、その機械はリース会社のもので、借り物です。例えば5年契約だとすると、契約が終わったら返却、もしくは買い取りとなります。脱毛や痩身などの機械を使うサロンはほとんどリースだと思います。

ここでは、オールハンドの技術メインのサロンで、高額な機械などをつかわないとしてお伝えしていきたいと思います。

上記の固定費を計算すると

家賃   33000円
水道光熱費  15000円
広告費  50000円

人件費  200000円

計  298000円

次は変動費を見ていきます。

変動費とは原材料費、仕入原価、販売手数料、消耗品費などです。ここで、個人サロンで関係するのは主に仕入原価、消耗品費などです。この仕入原価によって、利益がプラスになるのかマイナスになるのかが分かれるのです。

例えば、仕入原価が売り上げの30%を占めた場合。

売り上げ50万に対し、固定費298000円
売り上げ50万に対し、仕入原価150000円

経費448000円
利益52000円

仕入原価が10%になった場合

売り上げ50万に対し、固定費298000円

売り上げ50万に対し、仕入原価50000円

経費 298000円

利益152000円

この計算には、わかりやすく理解していただくために、接待交際費や交通費、消耗品などは含まれません。

もちろん固定費もそのサロン毎に変わると思いますが、要は、固定費は変わらないとすれば、この例のサロンの損益分岐は変動費の仕入原価の操作によって変わり、利益も変わると言うことです。

もちろん、これは自宅の一室で営むサロンの場合です。自宅とは別にサロンを構えるとなると、固定費は増え、損益分岐は上がることになります。

しかし、利益に対して、税金がかかることも忘れてはいけません。ここでは、税金に対しては深く触れません。この税金に対しては、こちらを参照してください。(白色申告の税率https://biz.moneyforward.com/white_return/basic/white-return-income-earned/)(収入金額と所得金額の違いhttps://keiei.freee.co.jp/2014/12/18/kakuteishinkoku-shunyu-shotoku/

業務用商材は、メーカーの選出によって仕入原価は変わる

業務用とは、施術で使用する化粧品の事です。クレンジング、化粧水、美容液、クリーム、マスク、オイルなどです。施術をする上で必ず必要なものですね。

海外のメーカーの商材は結構高いので、原価も高くなります。日本のメーカーの商材は比較的安いので、エステといえば海外の化粧品が当たり前というイメージでしたが、最近は原価の安い日本のメーカーを使用するサロンも増えてきています。

それによってメニューの価格設定も変えなければいけません。例えば先にメニュー金額を5000円に設定してしまうと、30%原価がかかると1500円になってしまいますよね。10%だと500円

これによって利益も変わります。

メニュー金額  5000円にして100名施術。売り上げ500000円とすると、

原価30%だと35万の粗利
原価10%だと45万の粗利

損益分岐が、上記の例をとって言うと、

固定費298000円
原価30%で150000の仕入れ
損益分岐 448000円

利益 52000円

固定費298000円

原価10%で50000円の仕入れ
損益分岐 348000円

利益 152000円

要はメニュー金額から、原価を考えて行くと、取扱メーカーも絞られて来るということです。中には、高い化粧品を使っているのにもかかわらず、低価格で提供して、原価が高くなり、やれどもやれども経営が苦しいって言う事にもなりかねません。エステティシャンって、案外それに気づかない方が多いと思います。

原価を考えずにメニュー金額を先に考えてしまってるというサロンも多いのではないでしょうか?そういう方は、使用メーカーを考え直してみる。または、メニュー金額を考え直してみるのどちらかです。

さらに、流行りの商材を次から次に仕入れては、不要在庫を抱えるサロンも多いので、自分のサロンの平均単価を出し、損益分岐を出して、それに見合う商材の選定が必要となってきます。

比較的単価の高いサロンと、単価の低いサロンでは、選定する商材メーカーは変える必要も出てきます。まずは、そのメニューの原価を出し、価格設定をして、その価格がサロンの顧客の単価に見合うかと言うことと、損益分岐のバランスが取れるかと言うことを見ていかなければなりません。

例を参考に考えると、仕入原価は、売り上げの10%が理想で、かかっても20%までに抑えることをお勧めします。

店販商品は50%が理想

店販商品は、掛け率がメーカーによって変わりますが、海外のメーカーの場合、50〜70%が多いです。日本のメーカーの場合は40%〜となり、利益率は高くなりますね。

海外のメーカーは、ネットでかなり安く買えるようになってしまい、エステサロンでは買わずネットで買うお客様も出てくるようになりました。

ネットで流通してるのは、日本の代理店がきちんと管理をしている商品ではなく、海外からの個人輸入や、閉店したサロンの在庫処分とかでも出されたりしているので、品質は保証されていないにもかかわらず、ネットで買う人が多いのは問題だと思うのですが。

カウンセリングはサロンで受けて紹介された化粧品をサロンで買わず、ネットで安く買う。これが、サロンで店販の販売が落ちている原因です。

なので、今、ネットで流通していない日本のメーカーの化粧品を使用するサロンも増えてきましたね。

賭け率が70%だと、個人サロン的にはそんなに多く販売されるわけではなく、薄利多売が出来ないので、掛け率50%ぐらいが理想だと思います。

あくまでも施術売り上げに対しての、仕入原価を基本に見ていくのが理想で、店販の売り上げは、施術売り上げとは別に、プラスαの利益で考えた方がベストだと思います。

コストを把握して、経営のバランスを見る事が次のステップにつながる

まとめると、施術売り上げと店販売り上げは分けて出し、それぞれにコスト管理をする事が大切です。この機会に見直しを測って見るのもいいかもしれませんね。

①使用する化粧品メーカーの選出

②損益分岐を出して必要経費を把握

③メニュー金額とコストのバランスを見て、金額の設定を見直す

現状をまず知ることによって、経費に基づいて自分はいくら売り上げねばならないかを把握することができます。これによって、施術で使う化粧品もいいものを提供したいと思われるのであれば、売り上げに対して利益を落としてでも、原価の高い商品を使われるのか、原価を落として利益を上げることを考えるかは経営者の考え方次第です。

まとめ

良いものだからコストが高くても仕入れる。話題の商品だから仕入れる。でも、単価の低いサロンは赤字になっていたり、気がつけば使わない在庫や余剰在庫が増えていたり、気がつけは赤字だったと言うことにもなりかねません。まずは、現状を知ることが仕入れコストを考える第一歩だと思います。

個人サロンは、労働集約型のビジネスであり、売り上げは単価によって違いがあり、それによって売り上げの上限がある程度見えるはずなので、損益分岐から現在の売り上げを見た時に、見直すのは、仕入れと広告費ぐらいになります。

広告費は固定費になると思いますが、仕入れは売り上げに対して変動するので、労働集約型で薄利多売ができないビジネスは、経費の管理がポイントになります。

経費は上げようと思えばすぐ上げれますが、売り上げの上限が見えているので、それに沿って経費を考えなければいつまでたっても自転車操業の危険性を持つことになります。

長原多賀子

長原多賀子

2年間で日本全国に50店舗の「トリムリターン」エステサロンを展開。年内には100店舗を展開し、フィリピン・マレーシアを中心としたアジア地域にも進出予定。『エステティシャンの手は地球を救う』そんな願いを込めて、未病ケアエステ「トリムリターン」を日本に、そして世界に、発信しています。

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執筆者

長原多賀子

長原多賀子

代表取締役 兼 トリムリターン開発者

佐藤沙苗

佐藤沙苗

取締役 兼 エステサロンオーナー

湯之上聖子

湯之上聖子

取締役 兼 エステサロンオーナー


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