解剖学は、実践に基づきはじめて身になる

最近、エステ業界でも解剖学に力を入れるスクールが増えてきました。

この理由は、解剖学がわからないと的確に筋肉にアプローチできないことと、そもそも筋肉にアプローチする必要が出てきたからだと推察しています。

なぜなら、体の不調を訴えるお客様が急増し、今やエステは、ビューティーではなくリラクゼーションでもなく、体の不調をケアできるサロンが選ばれるようになったからです。

もともとエステティシャンも解剖学は勉強しますが、それはあくまでも机上の勉強で、その知識を現場で生かすことはできていません。

それは、エステの技術は、流れだけを伝える技術だったからです。ここを3回エルフラージュ、ここを2回しごく、ここを3〜4回揉捻。

その場所場所で回数が決まっていて、形を伝えるまでしかできなかった。さらに、ここが硬くなるので、しっかり揉みほぐします。など。

この場合、どこで解剖学が生きてくるのでしょうか?なぜ解剖学が必要なのかというと、お客様の様々な症状に対して、それに対応するために必要なのです。

これは、生きた解剖学とは言えません。

なぜなら、お客様の体は100人が100人とも違うのに、同じように回数や流れでマッサージをしても、同じ結果は出ないからです。

このお客様には結果がでたけど、このお客様には結果が出なかった。こういうことになるからです。解剖学は、体を読み解くすべを持たなければ、施術には生かされません。

では、具体的な例でお話ししてみましょう。

肩が辛い新規のお客様の例

来店目的は、リラックスしたい。でもよくよく聞くと、腰や肩に慢性的な痛みがある。仕事はサービス業で1日、6時間店頭に立っている。

このお客様の最終的な来店目的は、「体が楽になりたい=リラックスしたい」だったのです。

リラックスとは言っても、現実逃避したい方もいれば、体が楽になりたい方もいる。でも、現実逃避と思ってる方のほとんどが、体の辛さを持っているのです。

さあ、それを踏まえて施術に入ります。

「肩を重点的にマッサージしますね。」・・・エステティシャンは、必ず言いませんか?何故なら、体を楽にしてあげたいから。

さて、体をほぐし始めると、なかなか緩まない。なんでかな?なんでかな?一生懸命ほぐすけれども一向に緩まない。時間は60分だからそれまでに終わらせなきゃ・・・

そこで考えてみてください。解剖学の知識は生かされてますか?肩が凝ってるのは僧帽筋。

で?

確かに知識は身についてますね。じゃあ、その僧帽筋を緩めるためにどうすればいいのでしょうか?

そう。ここで、解剖学の机上の勉強は生かされてないということになります。

それをいかに技術に生かすか

生きた解剖学とは実戦に基づかなければいけません。

肩が辛いというお客様に、硬い僧帽筋をいかに緩めたらいいのか?ここで問題にぶつかるエステティシャンは多いと思います。

僧帽筋と言っても、どのように縮んでどのような位置にあるのかを見極めなければいけません。その後にどのようにアプローチすれば僧帽筋が緩むのかを的確に判断しなければならないのです。

これが実践に基づく解剖学なのです。

筋肉名を覚えたからと言って、それを実践で使えなければなんのための解剖学なのかわかりません。

要は、その問題の筋肉の状態を察知して読み取れるようにならなければ、その知識が生かされないのです。スクールで解剖学の試験は100点だったという方でも、腕が上がらない、腰が痛い、首が回らないというお客様へのアプローチが出来ないというエステティシャンが多いのです。

症状に合わせた技術に解剖学が生かされるのです。

必要なお客様の症状に合わせた筋肉へのアプローチ

例えば、リラックスしたいと来店されたお客様ですが左腕が上がらないという。

姿勢を見ると、左肩が下がって肩甲骨の下角も下がって、左の腰は上がってる。この時、首は体を支えるために右が縮んでます。

ここで仮説を立てます。

緩めるべきは、左前鋸筋(ぜんきょきん)と、腰方形筋(ようほうけいきん)、広背筋(こうはいきん)がおそらく縮んでるので左腕の広背筋の停止部も固い。ほぼ左側に縮んでるわけですね。ということは、右側は、伸びて固まっているので、アプローチは、左の半分ぐらいの時間程度でいいです。

この場合、骨盤は右回旋している場合が多いので、右足は外側に開いて左足は内旋しています。なので、左の内転筋(内転筋)と左の鼠蹊部(そけいぶ)を緩めれば、骨盤が正しい位置に戻りやすくなる。

これが生きた解剖学です。そう思いませんか?

知識は、お客様にアウトプットしてこそ身になっていきます。アウトプットできない知識はなかなか身にならず、せっかく受けたセミナーも翌日以降には忘れて行き、学んだことで自己満足して終わり。という結果になってしまいます。

机上の勉強は必ず必要

しかし、体を読み解いていくためには必ず机上の勉強は必要です。基本的な知識がなければ、理解ができないからです。

先の例でいうと、そもそも僧帽筋ということさえわからなければ、それを解読していくすべも要点も絞れてこないからです。

その知識があってこその技術

解剖の知識は、これからのエステティシャンには必ず必要になります。エステのお客様は、必ず不調を訴えるはずだからです。

どこかのセミナーを受講して解剖学を勉強するのもお勧めします。できれば治療家の方の解剖学がおススメです。

治療に当たってる先生の解剖学は、実践に基づいたもの。経験則も語ってくださるはずです。生きた解剖学を是非学んで頂きたいと思います。

お金もなくて、どこで学べばいいのか悩んでる方は、独学でもできます。体のどこにどの筋肉がついて、なんていう名前なのか。それぐらいは調べられますよね。

あとは、施術中、ここがなかなかほぐれないけど、なんの筋肉がついてるのかな?どういう走行で、どこからどこまで走ってる筋肉なのかな?

これは、誰でもできるはずです。

スクールで学んだことがある方は、さらに自分なりに深めていくといいと思います。まだ解剖学を学んだことのない方は、出来れば、セミナーに参加するのが早道だとは思いますが、必ずやらなければいけないことは、

「アウトプット」

解剖学は現場に生かしてこそ自分の血となり肉となっていくのです。

長原多賀子

長原多賀子

2年間で日本全国に50店舗の「トリムリターン」エステサロンを展開。年内には100店舗を展開し、フィリピン・マレーシアを中心としたアジア地域にも進出予定。『エステティシャンの手は地球を救う』そんな願いを込めて、未病ケアエステ「トリムリターン」を日本に、そして世界に、発信しています。

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執筆者

長原多賀子

長原多賀子

代表取締役 兼 トリムリターン開発者

佐藤沙苗

佐藤沙苗

取締役 兼 エステサロンオーナー

湯之上聖子

湯之上聖子

取締役 兼 エステサロンオーナー


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