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背中が何故痛くなるのかの理由と解決策、施術の3つのポイント

エステサロンに来店されるお客様は、体の辛さを訴えます。多いのが肩、首、肩甲骨辺り。いわゆる背中ですね。これは、スマホによる影響が大きく、ストレートネックや猫背といった姿勢の悪さが原因です。

しかし、背中を緩めても根本的改善につながらず、その時は楽になるけどまたすぐに戻る。という事が起こります。

何故なら、緩めなければならない場所は胸や腕、お腹だからです。

今回は、背中が何故痛くなるのかの理由と、またその解決策の3つのポイントをお伝えしたいと思います。

なぜ、背中が辛いのか

サロンに来店されたお客様の9割以上がなんらかの不調を持っています。

そのほとんどの症状は、肩が痛い、首が痛い、肩甲骨のあたりがつる。というものです。その症状を訴える方は、姿勢が悪く無いですか?いわゆる猫背です。

体は、全てバランスでできています。人間は二足歩行なので絶妙なバランスのもと、立つことができているのです。

という事は、猫背の方は背中が伸びて前が縮んでいます。こういう感じに。
写真でもわかるように背中は伸びています。

先程お伝えしたように、体はバランスで成り立っているので、背中が伸びてると前は縮みます。前に引っ張られているのが背中の筋肉で、背中の筋肉達は、前に引っ張られる体を倒れないように頑張って支えています。

そして、その姿勢が続くと、背中の筋肉は伸びて固まってしまいます。緊張状態が続いた筋肉達は痛みとして悲鳴を発します。体をもとに戻して!って。

そんな悲鳴をあげてる背中の筋肉を、自覚症状が出てるからと行って更に緩めてしまうと、伸びやすい環境を作る事になり、前の筋肉にもっと引っ張られる原因を作ってしまいます。

なので、しっかり緩めなければいけないのは前の筋肉(縮んでる筋肉)です。筋肉を整え、元の位置に戻す(姿勢改善)という考え方を持たなければ、根本的な解決にはなりません。

※もちろん、体の内部からの原因(内臓や、骨など)からの痛みもありますが、そこはお医者様の領域なので、ここではあくまでも筋肉のバランスという観点からお伝えして行きます。

では、背中の痛み(肩、首、肩甲骨周りなど)を訴える方への施術のポイントをお伝えします。

ステップ① 肩甲骨へのアプローチ

背中が伸びてるから背中を緩めてはいけないわけではありません。

伸びて固まってる筋肉は一旦動きをつける必要があります。何故なら、前の筋肉を伸ばす時に、背中を筋肉に動きやすくしておかないと、逆に痛みを作ってしまうからです。

例えば、長時間のデスクワークをしていると、時折、腕を上げて伸びをしたくなりませんか?要は、胸の筋肉を伸ばして背中を縮める動き。すると、イタタターッて背中や腰が痛いと感じませんか?その理屈と同じで、前の筋肉だけを伸ばしてしまうと伸びて固まった背中がもとに戻ろうとする時に痛みを感じるのです。

なので、背中を緩めるというより、動きをつけておく。要は料理の下ごしらえと同じ理屈です。その為には、背中は肩甲骨をポイントにアプローチします。姿勢が悪い人は肩甲骨の動きが悪くなっているからです。

肩甲骨の施術は、肩甲骨に付着している筋肉を中心に緩めます。
肩甲骨外側(大円筋だいえんきん、小円筋しょうけんきん、前鋸筋ぜんきょきん、など)肩の付け根(棘上筋きょくじょうきん・棘下筋きょっかきん、三頭筋さんとうきんの骨の付着部)などです。

ステップ② 前胸部の筋肉へのアプローチ

肩甲骨に動きをつけたら、次は前の筋肉です。主にアプローチするのは、大胸筋(だいきょうきん)、小胸筋(しょうきょうきん)、前鋸筋(ぜんきょきん)、胸鎖関節(きょうさかんせつ)、腹部(横隔膜)などです。

猫背の人は、背中が丸くなってます。丸くなってるという事は、肩は内側に入っているので胸やお腹は縮んでます。

これらの筋肉達が背中の筋肉を引っ張っています。それらを緩めると自然と背中の筋肉は正しい位置に戻ることができます。

整体やクイックマッサージなどで背中ばかりほぐされている方は肩甲骨が外側に流れて体の横に位置してしまっているので、マッサージを受けても、その瞬間は楽になるけど、店を出て車に乗る頃にはまたもとに戻るんだよね。マッサージを受けても「もたない」。いわゆる楽になっている時間が短いという現象が起こってしまうのはこの理由です。

姿勢が悪い方は、鎖骨の動きが悪くなっているので鎖骨周辺の筋肉を緩めて、胸を開くようにそして、大胸筋と前鋸筋の癒着をはがすように緩めてストレッチさせます。

ステップ③ 腕へのアプローチ

どんな職業の人であっても、主婦であっても、必ず使うのは腕です。主に指。指は繊細な動きに対応する為に、肘から下の筋肉はたくさんの小さな筋肉達が存在しています。肘から上の筋肉は肘下に比べて大きな筋肉なのでシンプル。

手を握りしめる動きと、手首をひねる、手首を反るという動きでも、使う筋肉が変わります。

例えば、パソコン作業が多い方は、マウスを持って手首を反ってクリックする動きなどは、手の甲側の延長線上の筋肉が張ってます。

料理人とか工具などの握る作業の仕事の方は、手のひら側の筋肉が硬くなります。腱鞘炎は職業病ですが、その職種によって腱鞘炎が出る場所は変わってきますね。

話が横に逸れましたが、親指は胸の筋肉につながっています。手が硬い人は胸も硬くなっている事がほとんどです。なので、胸を開いて緩めようとする場合、指から腕全体にアプローチする必要があります。そうすると胸が開きやすくなるのです。

まとめ

背中が辛いという症状の原因は後ろの背中ではなく、前の筋肉で、その症状を緩和するには、肩甲骨に動きをつけた後、前胸部や腕を緩めると筋肉のバランスを整えることができ、正しい位置に戻してあげることができます。

結果的に、正しい位置に戻すことができ、辛い背中の症状が緩和し、何のためにこの技術をやるのかという意味を持って施術することができ、お客様への説明もできるようになります。