最近、エステサロンでも不調を抱えるお客様の来店が多くなって来ています。
エステでは、オイルトリートメントという表現でオイルマッサージを行います。(ここではわかりやすくマッサージと表現したいと思います。)
今回は、様々な症状に対する筋肉へのアプローチポイントをお伝えします。
エステティシャンは、直に肌に触るので筋肉の硬さや、体の歪み、肉質、冷えなどを感じ取ることが出来るのですが、お客様の体の不調(肩や首、腕の痛み、腰の痛みなど)に対して、どうしてあげればいいのかを分からない方が多いのです。
エステティシャンは治療はできません。
痛みを取るという考え方を持ってしまうと、大きな間違いです。でも、楽にしてあげたいと一生懸命、ほぐしますよね。
エステの現場から聞こえて来るのは、最近のお客様の体がほぐれなくなって来て、今の自分のこの技術では限界がある。でも何とかしてあげたいと苦悩の声ばかりです。
お客様は、病院に行って、いろんな検査をしてもらったけど、どこも悪くない。でも、痛い。どうすればいいのかわからない。いわゆる「未病」です。整体に行けばいいの?それとも鍼灸?整骨院?カイロ?整体ならどこがいいの?クイックマッサージ?
など、体の不調難民が溢れかえっています。その不調難民がエステにも押し寄せて来ている現状なのです。
では、エステでのケアはどういうことを行えばいいのかお伝えしていきます。
これは、内臓や病気の方の場合ではなく、あくまでも筋肉という視点でお話しします。
単刀直入に言うと体は、正しい姿勢になると痛みは無くなります。
何故なら、痛みが出るのは、筋肉が縮んだり、伸びて張ったり、捻れたりするのは、姿勢が崩れてるからです。そうすると関節さえも正しい動きでは無くなり、筋肉たちの影響で、関節の動きが制御されてしまうからです。
筋肉にはたくさんの血管や神経が走っています。その筋肉が縮んだり捻れたりしているのを想像してください。
わかりやすくいうと、雑巾。雑巾を筋肉に例えると、絞る=捻る動きになりますね。この中に血管や神経が走っているとしたら、どうなるでしょう?血流は悪くなり神経が圧迫されませんか?
結果、痛みとなって出る。
ということになります。それを改善するには捻れを元に戻せば良いのです。痛みが出る箇所は様々ですが、それは体の悲鳴。だから、どこで筋肉の捻れや萎縮などが起こっているのかを見ていく必要があります。
それには、正しい姿勢を知ることから始まります。
3番目の時点で痛みが出る方は、姿勢が悪い方です。この時にどこに痛みが出るかを見ていきます。そこが萎縮したり捻れて固まっている箇所なので、伸ばすと痛いわけです。
体を捻ると捻りにくい方があれば捻りにくい方を中心に捻って伸ばす。
この時に、痛みが左右違う人は、痛みが出る方を中心にストレッチします。
このように、自分で自分の体の検査が出来ますし、サロンでも、こういう簡単な検査で、お客様の筋肉のクセを大まかに見ることができます。
この時にストレッチしてどこが伸び辛いかを見て、そこを緩めればいいわけです。
しかし、伸びにくいという痛みと、何をしなくても痛みがある人の場合は、無理にストレッチをするのではなく、痛みが出るところは結果でしかないので、何故痛みが出たのかの原因を探る必要があります。
では、次は症状別に見ていきましょう。
腕の痛みでよくあるのが肩の付け根。腕の前。腕が上がりにくい。ブラジャーのホックが止められない。いわゆる五十肩です。
こういう方は、手のひらが硬く、外側に開くと痛い。手首も硬いという特徴があります。腕全体も内側に捻れています。
なのでまずは、手のひらを丁寧に緩めて、伸ばしやすくします。そのあと、腕の筋肉を外側にの開くように筋肉を緩めていきます。
そのあと、肩甲骨の裏側の筋肉、肩甲下筋(けんこうかきん)と、前鋸筋(ぜんきょきん)が癒着して硬くなってるので、そこを緩めます。
筋肉を正しいところに戻すということをやっていく。筋肉の調整ですね。もちろん痛みはその場では楽にはなりますが取れません。
でも、正しい筋肉の位置に戻すことを体が覚えると、徐々に軽減していき、その後治療院に行かれた時の、治療の相乗効果が生まれます。
腰の痛みが起きる方は、仙腸関節周辺が硬く固まっている方が多いのと、腰椎が正しいカーブを描いていない方が多いです。
腰椎は前後の動きがメインなので、腰椎が後ろに倒れてる方は体を後ろにそらすと痛みが出ます。要は骨盤後傾気味なのです。
さらにO脚だと恥骨周りや内転筋が硬く緊張し、腸脛靭帯(ちょうけいじんた)が張っているので、足を曲げて外側に開いてもらい、太ももの内側の硬い筋を圧迫で緩めます。
こういうパターンの方は、膝が曲がって固まっていて、ベットから膝が浮いてる状態の方に多く見られます。その場合は、足の背面、膝の裏の筋肉を一緒に伸ばしていく必要があります。
腰痛はこれだけが原因ではなく、不思議病と言われるくらい原因が特定できないことが多いので、参考までに1つの考え方として捉えてください。
今回は、あくまでも一例をお伝えしましたが、エステティシャンでも、体のバランスを見て筋肉のクセを調整していくことは出来ます。
そのための知識、解剖学はこれから必須になると感じています。
実践に基づく解剖学の必要性について書いたブログはこちらです。「解剖学は、実践に基づきはじめて身になる」
少しでも体の不調難民、未病の方々が救われていきますよう心から願っています。